松久山 髙台院

髙台院の山号は松久山、寺号は明王寺、宗派は真言宗単立となっています。

これまで度々の火災によって古記録などが失われ、由緒などについては不詳です。
約800年前、猪俣小平六範綱によって建立されたと伝えられています。
江戸時代、明治期の二度の火災により寺院は焼け落ち、現在の本堂が建立されました。

本堂内の様子です。髙台院本尊の十一面観自在菩薩が祀られています。

髙台院境内です。見晴らしの良い境内からは、近隣市町が一望できます。

落慶記念碑

当山は「松久山髙臺院」と称す。
開祖は猪俣と地名となっている猪俣氏と言われているものの、開山年次は不明である。
また、境内には武蔵七党の一党であった猪俣氏代々の墓を有し、菩薩寺として猪俣氏一族の霊を慰めると伝承される「猪俣の百八燈」(国指定の重要無形民俗文化財)行事が行われる。
本堂の改築は、寺の老朽化に伴い平成十一年一月から檀家全員により建築資金を積み立て、加えて檀家・有縁者からの貴重な浄財を資金に、平成十八年一月、寄居町の㈲社寺建築・戸部に建築を依頼、同年五月上棟、同年十一月竣工となり翌年の十一月二十五日落慶の運びとなった。
この改築工事の円滑な竣工については、建設委員・関係業者の尽力とともに檀信徒等各位の献身的な協力によりなし得たものである。

猪俣小平六の墓

境内には、御久坊とも呼ばれる猪俣氏代々の墓を有しています。
この猪俣氏の墓地は、県指定文化財になっています。

小平六は、小野篁の子孫で時資の代に猪俣村に住んで以来猪俣氏と称し、武蔵武士の猪俣党として勇名を馳せた。
時資四代の子孫が小平六範綱であり、かつて源義朝に従って軍功を立て、当時義朝の十六騎の雄将として知られている。
また、頼朝に従え、しばしば戦場において功績があった。
建久三年(一一九二)十一月に死去した。
毎年、盆の十五日の夜、この墓前と前方の山に百八燈がともされ、小平六とその一族の霊を慰める行事が行われている。
~美里町教育委員会掲示 猪俣小平六の墓より~

猪俣の百八燈

境内および堂前山では、毎年8月15日の夜に猪俣氏一族の霊を慰める猪俣の百八燈という行事が行われています。
この行事は満6歳から満18歳までの青少年が、親方・次親方・後見・若衆組・子供組に分かれ、大人の介入なく一切を執り行うのが特色です。
8月15日夕刻の太鼓を合図に高台院に集合、猪俣氏の霊に礼拝し、笛太鼓に合わせて提灯行列が堂前山に向かい、百八の塚に一斉に日を灯します。
各地で行われている盆行事の中でも、百八の塚を築いた上で火を焚く点が異色と言われています。
猪俣の百八燈は、国指定重要無形民俗文化財になっています。

所在地

〒367-0115 埼玉県児玉郡美里町猪俣1579

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