お盆とは

お盆とは、8月15日の前後数日間に、新しく仏様と成られた新仏やご先祖様が帰ってこられる期間です。
(お盆の期間には地域差があります。)
お盆は正確には「盂蘭盆うらぼん」といい、その由来は「盂蘭盆経うらぼんきょう」という経典きょうてんに基づきます。
盂蘭盆経によると、起源は次のようにあります。

はるか昔2500年以上前に、目連尊者もくれんそんじゃというお釈迦さまのお弟子の方がおられました。目連尊者は神通第一じんつうだいいち(神通力が最も勝れた)と称せられ、既に亡くなっている母親に再び会いたいと思い、神通力を使い母親の姿を探してみたところ、餓鬼道がきどうの世界で苦しんでいることがわかりました。

なぜ餓鬼道に堕ちてしまったのか、それは、目連尊者の母親は優しいお方ではあったのですが、自らの子(目連尊者)のみを大切にするばかりで、他の人に施しを与えることをおろそかにしていました。その結果の行き着く先が、餓鬼道でした。

餓鬼の世界では、お姿はやせ細り、口に物を入れる前で全て燃えてしまい、食べることも飲むこともできず、目連尊者の母親は苦しんでいました。

なんとかして母親を助けたいと、お釈迦さまに救いを求めますと、お釈迦さまは、 「あなたの母親は、生前、物惜しみを続けてしまったために餓鬼の世界へ堕ちてしまいました。母親を救いたいのであれば、7月15日(新暦では8月15日)に安居あんご(一定期間の修行)を終える修行者たちがいます。その者たちに百味ひゃくみ施食供養せじきくよう(たくさんの食べ物や飲み物を施すこと)をして功徳を積み、そして、その功徳で餓鬼道において苦しんでいるすべての者たちを供養しなさい。」と仰られ、目連尊者はその教えにしたがって供養をした結果、母親は餓鬼道の苦しみから救われたのであります。

この「盂蘭盆経」という経典は、一人のみならず全ての者のために供養をしましょう、と説かれており、また、今ある私たちの命は、ご先祖様やそのはるか昔からたくさんの方々が紡いできた多くの命の上に存在しているという「命のつながり」を教えてくださっています。

年に一度、新仏やご先祖様が慣れ親しんだ皆様のもとに帰ってこられます。見守ってくださることへの「ありがとう」という感謝の気持ちと、一年間息災そくさいに過ごすことができたことへの「おかげさま」という心でお迎えし、そして、お送りしましょう。

お寺からのお知らせ

お盆の流れ

8月13日『お盆迎え』

菩提寺にて施餓鬼塔婆をお受け取りいただき、その後、お墓へお参りください。
施餓鬼塔婆はご自宅にお持ち帰りいただき、盆棚もしくはお仏壇にお供えし、ご先祖様や故人をお迎えしましょう。
※8月16日にお参りできない場合は、8月13日に施餓鬼塔婆をお墓にお建てください。

8月13日〜8月16日『お盆』

お盆の期間中となります。穏やかな気持ちでご先祖様とお過ごしください。
※新盆の方は、お盆期間中(主に8月13日〜16日)にご自宅へお伺いし、お棚経という供養をさせていただきます。

8月16日『お盆送り』

お墓へ施餓鬼塔婆をお建てください。
一年間無事過ごせたこと、また、一年後のお盆も無事迎えられますことを願い、感謝の気持ちをもってご先祖様や故人をお送りしましょう。

お盆期間中に菩提寺・お墓にお参りできない場合(ご自宅でのお盆迎え・お盆送り)

お盆迎え(ご先祖様、精霊をお迎えする)

8月13日午前中、自宅玄関前にてお線香を焚き、菩提寺の方角を向いてご先祖様や故人をお迎えするように念じてください。
その後、お線香を盆棚もしくはお仏壇にお供えし、お手を合わせてください。

お盆送り(ご先祖様、精霊をお送りする)

8月16日午後、盆棚もしくはお仏壇にお線香をお供えし、玄関前にてお線香を焚き、菩提寺の方角を向いてお手を合わせ、ご先祖様や故人にお帰りいただくよう念じてください。

※お盆期間中のお墓参りは、各施主様に代わって、住職、副住職、檀徒総代がお勤めいたします。施餓鬼塔婆は、その際にお建ていたします。

お彼岸とは

春と秋に、一年に二度のお彼岸の期間があります。春分の日、秋分の日(お中日ちゅうにち)を中心とし、その前後三日間ずつの一週間が、それぞれのお彼岸の期間にあたります。

お中日には、昼と夜が全く同じ長さの「中間」になるので、お釈迦様の教えである「中道ちゅうどう」を表しており、また、彼岸ひがん(仏様の悟りの世界)と此岸しがん(私たち衆生しゅじょうの迷いの世界)が最も近づく日と考えられています。
「中道」とは、何事にも偏らない公平な考え方を持つことです。

暑さ寒さも彼岸までという言葉があるように、穏やかな気候にもなり、お墓参りやご供養には最適な季節です。

お彼岸をきっかけに「中道」を実践し、今いる私たちの命はご先祖様や故人のおかげであることを思い返し、そしてまた、すぐそばにおられることを実感し、感謝の気持ちを込めて供養しましょう。

お墓参りの流れ

お水を汲みましょう

客殿前の水屋にて、備え付けの水桶に水を汲みましょう。

御本尊様(本堂)、お地蔵様(六地蔵)にお手を合わせましょう。

お墓のお掃除をしましょう

花立ての中を綺麗にし、新しいお水に取り替えます。
雑草があれば抜き取り、お線香の燃え残りも回収します。
墓石が汚れている場合には、柔らかい布で拭き取ります。
※ゴミ袋をご持参ください。

お供えをしましょう

お花は仏さまの優しさ「慈悲」を表し、お線香の香りは仏さまのお食事にあたります。
墓石中央にある楕円の小さなくぼみは、水鉢です。墓石頭部にお水をかけると汚れが残ってしまう場合がありますので、お水は水鉢に入れましょう。
※火事防止のため、強風時や夕方、乾燥した気候時は、お線香には火をつけずお供えください。

お参りをしましょう

お手を合わせ、菩提を祈り、お気持ちを込めてお参りしましょう。

お帰りの際も、御本尊様(本堂)、お地蔵様(六地蔵)にお手を合わせましょう。
水桶など、使用したものは元の場所に戻しましょう。

お願い

枯れ花などのお墓参りで出たゴミは
必ずお持ち帰りください。